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【花のフォトグラム】
今回の展覧会「花のフォトグラム」には、チューリップの花をモチーフとしたモノクロのフォトグラム作品(※1)を展示します。
「枯れたチューリップ」と「花瓶のチューリップ」のシリーズです。どちらも今年の新作です。
「枯れたチューリップ」には、経年変化でカブリのある、とても古い印画紙を用いました。
枯れた花に宿った生の気高さのようなものが、少しでも写し出されていたら幸いです。
また「花瓶のチューリップ」で花を挿した鶴首の一輪挿しは、生前私の作品をこよなく愛してくれた、義母が使っていた花瓶です。
その品の良いフォルムと、愛らしいチューリップとの組み合わせは、聡明で、いつも明るく接してくれた義母の気配を感じさせてくれました。
今年88歳を迎える私の母と、優しかった義母への感謝の気持ちを込めて展示します。
チューリップは好きな花のひとつで、これまで折々に触れ撮影してきました。
思い返せば、20代で開いた初個展には日常のスナップや風景、静物、人物等々、
様々な種類の写真を展示しましたが(意気込みすぎてたくさん作ってしまい、壁面に飾れず床に置いたものもありました)、
その多々あるイメージの中から案内ハガキ用に選んだのも、チューリップの写真でした。
窓辺で陽射しを浴び、暗い背景に姿を浮かび上がらせているチューリップです。
また、30代で上梓した私の最初の写真集『LIFE』は、生まれたばかりの娘に捧げたチューリップの花束が、その枕元で咲き、
そして枯れてゆく過程を写したシリーズです。全てチューリップの花だけで構成した一冊です。
40代には、スキャングラムという手法(※2)を用いて、カラー作品を制作しました。
赤や黄色のチューリップが、フォトグラム的な効果によって、青い花へと生まれ変わりました。
今回の展覧会には、カラーのスキャングラムと「LIFE」シリーズの一部も展示する予定ですので、そちらも合わせてお楽しみ頂けたらと思います。
(※1 )フォトグラムは、感光紙の上に直接物体を置いて光を当て、そのシルエットを焼きつける古典的な写真技法。
(※2)スキャングラムは、スキャナを用いて写す写真技法。フラットベッドスキャナに直接物体を載せ、透過原稿用モードで撮影するとフォトグラム的な効果が得られる。
【西村陽一郎 略歴】
1967年東京都西東京市生まれ。美学校で写真を学び、撮影助手を経て1990年にフリーランスの写真家として独立、現在に至る。
カメラを使わない写真技法であるフォトグラムやスキャングラムを中心に、植物や昆虫、鳥の羽、水、ヌードなどをモチーフとした作品を発表している。
個展、グループ展多数。2002年より美学校写真工房講師、2012年より東京造形大学写真専攻非常勤講師。
1999年より神奈川県逗子市在住。
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【写真展「フィルムであそぼ」】
「写メ」と言う言葉が死語になるくらい、スマホの普及は写真を撮ること、
共有することが当たり前の時代をつくりました。
一方、写真文化を支えてきたフィルムは、
辛うじて「生き残っている」と言っても過言ではない程種類が減ってしまいました。
そんなデジタルの時代に、昨年2021年5月、フィルムに惚れ込んだ7人が集まり、
それぞれの思いでモノクロ/カラー写真を撮り、紙にプリントし額装を施し、初めての展示を行いました。
2回目となる今回の「フィルムであそぼ」では、会期を前半/後半と分け、
前半には昨年行った「紙にプリントし額装した展示」と併せて、
昨年展示を行った7人がそれぞれの写真集を作成して観賞してもらうといった、
もう1歩前へ踏み出した展示をおこないます。
後半には新たなメンバーを加え、総勢21人でフィルム写真を紙にプリントし額装した展示をおこないます。
この展示を通じて、デジタルには無いフィルム写真の良さや、
ディスプレイ上で「いいね」できない紙媒体の写真の魅力が、少しでも伝わればいいなと思っています。
主催:Tomohiro HOJO
前編「写真集のつくりかた」(3/1~3/13)
Tomohiro HOJO/むーじょ, もも.かわかみ, Hiroyuki Tachibana, s.yuto, 恵里加, るか, fore
後編「はじめての額装」(3/15~3/27)
前編メンバーに加え
Ai Sugawara, えん, カラタチ, 慎重, 神保未来, seto, teru。,ねぎ, hikaru, hiro’s camera,
Yasuhiro Uehara | うえやす, yu_ri, yuina, Rikako Fujita
会期:2022年 3/1(火)~3/27(日)
時間:13時~19時
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【事】
小山内 大輔(Daisuke OSANAI)
1980年青森県生まれ
2011年よりカメラマンとして活動。
2018年で50組以上のブライダル撮影、ハウススタジオ系で100組以上のキッズ・家族撮影、また官公庁系ポスター・パンフレット、企業SNS素材撮影、就職サイト取材撮影、ECサイト用撮影など幅広く活動。並行して作家活動も行う。
[写真展]
2010年「物質の行方」Place M
2012年「Place M25周年記念展」M2gallery
2013年「ROOMS floor-02 portfolio exhibition」M2gallery
2013年「am3:30-5:30」TOKYO LIGHTROOM
2015年「彼女ら」TOKYO LIGHTROOM
2015年「unconscious」 RED Photo Gallery
2016年「matter」 RED Photo Gallery
2016年「エルパソ」 RED Photo Gallery
2017年「object」 RED Photo Gallery
2017年「unnatural」 RED Photo Gallery
2018年「ワォ!新宿・代々木」 全労済ホール/スペース・ゼロ
2018年「they」 RED Photo Gallery
会期:2022年 2/15(火)~2/27(日)
時間:14時~19時
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【1974 「Paris」】
沢渡 朔(Hajime SAWATARI)
1940年東京生まれ。日本大学芸術学部写真学科在学中より写真雑誌等での作品発表を始める。
日本デザインセンター勤務を経て1966年よりフリーの写真家として活動、現在に至る。
1963年日本広告写真家協会(APA)奨励賞受賞、1973年日本写真協会年度賞、1979年講談社出版文化賞写真賞受賞
パブリックコレクション:東京都写真美術館(東京)、新潟市美術館(新潟)、川崎市市民ミュージアム(神奈川県)
主な写真集に『nadia 森の人形館』(毎日新聞社)、『少女アリス』、『海からきた少女』、『少女アリス スペシャル・エディション』(河出書房新社)、『SEIJI OZAWA/小沢征爾』(集英社)、『昭和 伊佐山ひろ子』(宝島社)、『a girl』、『hysteric ten』(hysteric glamour)、『Cigar 三國連太郎』(パルコ出版)、『60’s』、『60's 2』(ワイズ出版)、『別冊記録/第1号 森山大道×沢渡朔』、『Kinky』、『Nadia b/w』、『Nadia color』、『Simon,The Actor』(AKIO NAGASAWA PUBLISHING)、『Showa 35,JAPAN』(MATCH and Company)、『なぎさホテル』(SUPER LABO)、『Rain』(国書刊行会)、『点子』花代との著書(Case Publishing)等、主に女性を被写体とした写真集多数。
会期:2022年 1/25(火)~2/13(日)
時間:14時~19時
最終日:15時まで
2/7(月)休廊日
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【Seascape】
今回の展示は2011年から東北の木々や島を撮り続けている間に撮影した海辺の風景写真でタイトルの“Seascape”はトレーシー・ソーンのアルバム ”a distant shore” 邦題 ”遠い渚” に入っている一曲だ。
そのアルバムは冬の夕方に別の工業高校に通ってた幼なじみの友達が町のレンタルレコード屋さんの店主にお薦めされて自宅に持ち寄ってくれて針を落としてカセットテープにダビングしつつ二人で初めて聴いた。
高校を卒業して私は東京に出てきて、友達は地元に残って工場で働きはじめた。もう何年も連絡を取っていない。
でもカセットテープから形を変えてサブスクリプションでずっとそのアルバムは今でも聴き続けている。
なのでアルバムは一度も所有したことがない。そうだ。展示する写真を撮影したカメラも大学の時の友達に借りたま使いづづけている。
友達にそろそろ連絡してみようと思う。
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【Traveling 展
「旅しないカメラ」in 横浜】
一歩外へ出れば、生々しい現実を突き刺すように、光の粒が飛び交っている。
この乱れた光を横目に、さてどこへ行けばいいのか、
歩き始めても行く先が見当たらない。
それは、人生においてどう生きて行けば良いのか、という問いのようなものだ。
人生が旅のようなものなら、今すぐに、カメラを手にそこここの光を拾い集めて、写真の道標を立てなければならない。それは旅の行く先ではなく、まだ見ぬもう1枚の写真に向いていなければならない。
会期 2021年11月16日~11月28日
時間 14:00~19:00
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【大野伸彦氏の写真展】
幼い頃は目的も無いのに家の外にいるだけで、何かおもしろいモノ(対象)を自分なりにみつけていた。
大人になるにつれて世界が広がった分、尖った好奇心が削られていくような気がする。
限られた場所、わずかな時間の中でも、目に飛び込んでくる退屈なモノ、不可解なモノ、美しいモノ、
それらを脈絡もなくメモるように写真にしてみたい。
「object」
皆さまのお越しをお待ちしております。
会期 2021年12月5日~12月19日
時間 14:00~19:00